秘境&濁流! ハワイでの釣り・稀有なフライフィッシング

ハワイでのフライフィッシングといえば、普通はボーンフィッシュですよね~。でも、そこは「知らないハワイ」。ちょっとニッチな渓流でのフィッシングをご紹介しよう。ターゲットはスモールマウスバス。大自然に抱かれてロッドを振る、その楽しさをライヴ感いっぱいにお伝えしよう。

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凄まじい猛暑の8月も残すところ一週間。国内での渓流はひと月ほどで禁漁となる。そんなある日、釣り道具一式を携え、機中の人となった。
ホノルル空港に降り立つと、まさかの雨。大雨だ。8月24日には、FLASH FLOOD WARNING(フラッシュ・フラッド・ワーニング)――鉄砲水の警告が出された。2日間の大雨でマンホールから汚水があふれ出し、排水路を通じて約190万リットルもの汚水が海に流れ込んだため、ワイキキビーチは遊泳禁止となった。
本来であれば、FLASH FLOOD WARNINGのあとに山に入るのはかなりのリスクがあるが、あらかじめフィッシングライセンスも購入済みであることだし、ともかく行ってみることにした。

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朝、海を見ながら軽い朝食をすませ、ホテルを出発。カイルア方面へ30分ほど車を走らせる。気温がいくらか下がり、暖炉用の煙突を備えた高級住宅が立ち並ぶエリアに入った。Nu’uanu Vally(ヌアヌ・バレー)だ。その名のとおり、涼しい谷といわれる場所で、各国の大使館をはじめ、広い庭をもつイギリス風の大きな家が立ち並ぶ。ハワイ最初の高級住宅街だという。白い教会の手前を入り、2分ほど木々のアーチをくぐると、JUDD TRAIL(ジャッド・トレイル)の入り口に着いた。

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看板の裏に車をとめ、まずは下見のためにトレイルコースに入った。あちらこちらにFLASH FLOOD WARNING の残骸が見られる。地面に張り巡らされた木の根が天然の滑り止めとなってくれるが、地面はまだぬかるみ状態。対岸の山肌など、水が流れ出ている場所もまだ多数ある。さらに先へ進むと、山側からわずかな土砂崩れがあったようで、川の上には大量の木が倒れ込んでいる。川は山肌から流れ込んだ土砂で茶色に濁り、マッドウォーターがやけに元気よく流れている。

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本来クリアウォーターの川がマッドウォーターになっているということは……。まずここでは釣れない。最上流へ行くか、もしくは川をもっと下って、影響の少ないポンドなりを探すべきではあるが、このあたりで奇跡の一匹を探すことにした。ロッドを出せば可能性はゼロじゃない。限りなくゼロには近いが。
一度、車に戻り、小渓流な川のサイズと覆いかぶさる木々の状況を考え、#3 6ft10のショートロッドを準備、ブーツはカナダのように規制がないのでフェルトソールにウエットウェーディングに着替えた。トレイルを少し進み、川を横目に見ながら下れるところまで下りる。
10分ほど行くとかなりひどく道がぬかるみ、完全に道なき道。FLASH FLOOD WARNINGでできた自然のフェンス、流された細い木が折り重なって行く手を遮っている。下るのをやめ、川側に移動してキャスティング開始。

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想定ターゲットは、20~30センチメートル程度のスモールマウスバスと、類似サイズの雑魚。少し大きめのカディス系やラバーレッグ付きのファニーフライなどを、流れの緩いエリアから狙ってアップクロスでキャストする。木が生茂っていてバックキャストのスペースが取りづらい上に、倒れ込んできている木々も多いので、ロール系キャストとサイドキャストを駆使する。

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「水の色さえ無視すれば、本来ならこういうところにいるよね」と思うおいしそうなポイントにフライを送り込むもののまったく反応なし。リアクションで誘ってみても、どなたからも応答がありませ~ん。
次に、早い流れと遅い流れのロックサイドにブラック、ピンク、フラッシュのマラブーをダウンクロスで流してみたり、リアクションを加えてみるが、やはりこちらも反応がない。

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とどめは今回のために作成したプチポッパーで開き直って遊んでみたり……。でも、お魚には心届かずといった感じだ。
水の濁りと水流からみて、水深は50センチメートル程度。岩もいい感じで入っていて、シェードもできている。「フライに適した場所なのだろうね、本来は」と妄想する。「こんな天候の時期に来たのはもったいないなぁ」などと独り愚痴、奇跡の一匹との巡り合いを祈りつつ、約2時間弱、ドロップポイントから移動できる範囲を丁寧に探したが、今回は完敗。当然ながら、川の状態が元に戻るには一週間はかかる。残念ながら、ハワイでのはじめてのフライフィッシングで、初の一匹に出会うことはできなかった。

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ちなみに、今回出会うはずだったスモールマウスバスという魚はこれ。

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オアフでは、ウィルソン湖でのピーコックバス釣りや、カハラからカラニアナオレ HWY.に沿った遠浅のビーチでの釣りも楽しめる。こうしたビーチでは、バラクーダーやメッキ、たまにカスミアジが釣れることもあるそうだ。

想像していた以上に、ホノルルにはいい川もありそうだし、トレイルコースを利用すればアクセスもしやすい。「次回こそは……!」。

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