ハワイの偉大なサーファー「エディ・アイカウ」― エディを偲んで ―

ハワイの真のヒーローであるエディ・アイカウ。その彼の功績を称えるビッグイベント「クイックシルバー・イン・メモリー・オブ・エディ・アイカウ」(略してザ・エディ)が、年に一度ノースのワイメアベイで開催されます。Part1でお伝えしたように、20フィート以上の波が来たときに行われる1日だけのサーフィンイベント。しかも「コンディションのよい波」という条件つき。さあ、今年もその季節がやってきました!

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エディのファミリーが大集結!

ザ・エディは、実際に大会が行われたのは過去30年の歴史をみても、わずか8回という超まぼろし級の大会です。相手は自然……。その日が来るのか来ないのか、誰にもわかりません。世界にその名を知られたビッグウェイバーたちは、エディの魂とともに、波が来るのを気長に待っているという、ある意味とてもハワイ的な大会なのです。
が、一方、エディのファミリーは、この時期、ザ・エディの準備に大忙し!

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今年もワイメアベイに、ザ・エディの季節がやってきた

大会開催のセレモニーを前に、記念碑と海に捧げるレイ作りがアイカウ・ファミリーの恒例行事です。アイカウ・ファミリーが暮らす家は中国人墓地のすぐ脇にあり、エディの両親の代からここで暮らしていました。今はエディの姉であるマイラさんが家を管理。かつては、サーファー仲間たちが集まって、家の前の広いスペースで夜な夜なパーティを開いていたとか。アイカウ・ファミリーが、多くのサーファーたちの尊敬を集め、みんなから慕われていたことが伝わってきます。

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エディが生まれ育った家。家の前では、サーファー仲間が夜な夜な集い、パーティが開かれていた

さて、レイ作りの当日です。朝から続々と、ファミリーにゆかりのある人々が集まってきます。親戚や友人、この日のためにネイバーアイランドから駆けつけるという一家もいるほど。
たくさんのテーブルと椅子が並べられたガレージのような建物が会場。壁には大会のオリジナルポスターがずらり。よく見ると、参加した著名サーファーたちのサインが入ったものもあり、ファンにとっては宝の山!
 そこへ、男性陣がブーゲンビリアの花を枝ごと運び入れ、まずは花を摘みとる作業からスタート。

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枝ごと運び込まれたブーゲンビリア。まずは花を摘みとる作業から

ファミリーみんなでレイ作り

実は、この日のレイ作りに参加した人は、アイカウ・ファミリーのオハナ(ハワイ語で家族)として認められ、大会セレモニーのときに特別な場所で特別な時間を共有することができるのです。この日集まったのは50名ほど。近況などを語り合いながら、花を摘みとり、バケツに集めます。子どもたちももちろんお手伝い。これがかなりの重労働なんですね。摘んでも摘んでも終わらない……。いったいどのくらいの長さのレイを作るのかな~??

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楽しくおしゃべりしながら、みんなでレイ作り。子どもたちもお手伝い

花でバケツがいっぱいになったら、次はその花を長いレイ専用の針に通していきます。針に花がいっぱいになったら、花を糸に通してレイにする係の人に渡します。そしてまた針に花を通すという作業を、花がなくなるまで続けます。
できあがったレイは、ワイメアベイのエディの記念碑に飾られ、海へも献花されます。ブーゲンビリアは色も美しく、強い花なので、海に流しても長持ちするのだそう。きっとこの花、エディも好きだったんでしょうね。

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レイ専用の針に花をさし、いっぱいになったら糸に通す。まるでレイ作りの教室のよう

こうして約3時間後、みんなの協力のもと、レイが完成しました。短いレイが20本、ワイメアベイに流す長いレイが1本。それぞれが、エディへの思いを胸に、心をこめて作られたレイは、セレモニー当日まで大切に保管されます。参加者全員が輪になり、レイの完成とオハナの結びつきへの感謝を捧げます。

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みんなで輪になって、レイの完成とオハナの結びつきへの感謝を捧げる

次はお楽しみのランチタイム! マイラさんの手作り料理や、持ち寄ったお料理を子どもたちから順番に取り分けてもらいます。

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「今日はありがとう!」マイラさんも子どもたちも笑顔いっぱい

エディが愛したファミリー

こうした時間が、アイカウ・ファミリーのオハナの結束をより一層強くしてくれるのでしょう!
「毎年、家族やたくさんの友人たちが集まってくれるのは、本当にうれしいことです。みんなの元気な顔を見るのがなによりの楽しみ。エディも喜んでいることでしょう。準備はたいへんだけど、これが私の仕事。これからもアイカウ家の伝統を守っていきますよ」。エディの姉のマイラさんが、にこやかに話してくれました。やんちゃな面もあったアイカウ・ブラザーズのよき理解者であり、両親亡き後は親代わりとしてファミリーを支えてきたしっかり者のマイラさん。ブラザーたちも、彼女には頭があがらなかったでしょうね。

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エディの姉、マイラさん。

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壁にはエディとファミリーの写真が一面に飾られている

エディのサーフィン仲間でもあった弟のソロモンさんも、「これはファミリーにとって大きなイベント。協力してくれる友人やファミリーがこんなに大勢いるって素晴らしいことだよね。サーフィンは10歳くらいから始めたんだ。それからは、僕たち兄弟にとっては海がすべてだった。サーフィンは、もちろん努力することで上達するけど、中にはナチュラル・サーファーといって、自然体で無意識のうちにサーフィンができてしまう人もいるんだ。エディはまさにそれだった。僕たちは、サーフィンして、パーティして、毎日を過ごした。エディの存在は、今でもとても大きいよ。ファミリーを大切にし、お互いを尊敬しあう関係だったからね。エディがいたら、今でも大波に乗っていると思うよ。そして、サーフィンを通して、いろいろな面で人助けをしていると思う。海の一部になるっていうのは、これまた本当に素晴らしいことだからね!」と豪快に思い出を語ってくれました。

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エディの弟、ソロモンさん

またこの日、日本人プロサーファーの堀口真平さんも、レイ作りの助っ人として登場。ハワイに移住し、ビッグウェイバーとしての実力を徐々に認められつつあるニューフェイスです。心に熱いものを秘めた謙虚な人柄がアイカウ・ファミリーに認められ、今回オハナとして受け入れられたのです。今回のザ・エディではインビテーションメンバーではありませんが、アイカウ・ファミリーからのプッシュもあり、来年以降の推薦枠で今回のセレモニーに参加します。
「エディの生き方は、カッコいい道しるべ」という堀口さん。今後の活躍に期待がふくらみます!

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日本人プロサーファーの堀口真平さん

さ~て、後日開催されたザ・エディのオフィシャルオープニングセレモニー。こちらももちろん取材しました! バッチリお伝えしますよ~! お楽しみに♪

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